お疲れ様です。WEBコンサルタントの坂岡です。
独学でネット集客を実践したり、学んでいるという方向けに、気が付きにくいポイントや、複数のデータを比較して発見したアイディアをプロの視点から補足していきます。
ネット集客は外注を含め分業が進んでいます。外注は問題ありませんが、適切な指示出しや、業者選択に失敗すると成果が出にくいことがあります。この記事ではゼロからでも理解できるネット集客の全容と、チェックポイントを解説します。8分ほどの記事です。
1.LPとリスティングを使おう
毎月数字に追われる営業担当者はもちろん、経営者にとっても、短期的に成果を求めていくしかないのが経営の実態です。
そんなときに、中長期的な施策をやっている余裕はありませんから、すぐにフィードバックが得られる方法を選択しましょう。
MQLとSQL
下記の図はWEB集客の3つの手法をまとめた図です。
聞きなれない言葉があるので、MQLとSQLをそれぞれ説明します。
MQL→マーケティング クオリファイド リスト
- ネット集客ではインバウンドが軸にあり、情報を見て問い合わせやダウンロードなどでつくっていく見込み客リストのことです
- 顧客との接点は「自社メディア」「有料メディア」「ソーシャルメディア」の3つのチャネルがあり、最初は有料メディアを活用し短期的な活動を実施します
SQL→セールス クオリファイド リスト
- ネット集客の後にコミュニケーションするリストのことです
- 問い合わせ後に面談アポイントを行い、プレゼン、クロージングとステップをふみながら成約に向かいます
WEB集客でできるのは上記のうちMQLの部分まで。さらに短期的には「有料メディア」の中から検索広告のリスティングを選択します。
短期施策はLPとリスティングで
有料メディアからリスティングを選択した場合、合わせて用意してほしいのがLPです。
LPとは「着地ページ」または「チラシページ」と言い換えても良いと思います。つまり、検索ワードに合わせてチラシを見てもらう流れをつくり、問い合わせやダウンロードなどでリスト化する一連の流れをつくります。
2.LPについて
社内にリソースが無い場合、LPの制作は外注しましょう。
簡単なものなら10万円〜、類似案件等で成功実績がありコンサルティングまでしてくれる企業なら80万円程度と品質は様々ですが、目安としては1ページ50万円前後を予定しておくと安心です。あまりに初期費用をケチって安すぎると失敗することがあります。
LP制作の大まかな流れ
LPってHPと何が違うの?と思われる方もいらっしゃると思いますので、簡単にLPとは何か説明します。
一番の違いは、LPは1ページで完結することです。
WEBサイトって、1ページ余分に読ませるとそれだけで平気で一割くらいの閲覧者が離脱することがあります。仮に毎月1000人呼び込んで、100人を失うのはあまりにもったいないですよね?
いまだにリスティングの着地を自社サイトのトップページにしているケースを見かけますが、ストレートに言って愚策です。もし企業サイトに着地させているようなら、今すぐ改めましょう。
なるべく手間なく、なるべく簡潔に
LPとリスティングを使ったインバウンドマーケティングでは、とにかく見込み客に「めんどくさい」「わかりにくい」と思わせないことが重要です。
手間なく、簡潔に情報にアクセスできるために
1.徹底してページ遷移を減らす
2.必要十分な情報が掲載されいる
3.メリットが一目でわかる
この三つを満たす情報を、わかりやすいデザインのページにしましょう。
3.制作は外注でも情報設計は社内でやること
デザインやコーディングは社内にリソースがなければ外注しましょうと先に述べましたが、全部お任せにして失敗したら困りませんか?WEB制作会社は、あくまで「制作」を売りにしている会社です。
WEB制作会社ができる仕事
ここで一度、制作会社に何ができるのか、任せてはいけない部分はどこかについて整理しましょう。
WEB制作会社の業務内容
一般的に、WEB制作会社の業務は以下の通りです。
1.ヒアリング
2.要件整理
3.デザイン
4.素材準備(写真・動画撮影やイラスト等)
5.コーディング
6.サーバーやドメインの手配
当然、彼らは「WEB制作」が主な仕事です。そのために社員を教育しているので、お金を払うと「WEBサイト」や「ランディングページ」が納品されます。
でも、「何を、誰に、いくらで」売るかは、事業主が責任をもって決めないといけません。出会ったWEB制作会社がどれだけ優秀でも、1週間や1ヶ月程度で事業の全容を完全に把握することは不可能です。
確かに、改めて営業担当者が脳内にある情報を書き出して整理するのは手間のかかることですが、他人任せにして、お金を払って失敗していたら目も当てられませんね。
自社でやるべき「情報設計」の方法
情報設計のやり方は決まっています。AIDAという購買行動のステップを参考に、ロジックさえわかればある程度は誰にでもできるので安心してください。
AIDAステップ
AIDAは「Attention」「Interest」「Desire」「Action」の4つの要素の頭文字を並べたものです。順番通りに情報を配置することで、ニーズのある多くの人にとって最も頭に入ってきやすい説明の流れです。
実践形式で説明
例えば、施工管理のシステムを販売をする企業がLPをつくる場合で考えてみましょう。
Attention 基幹システムとの連携も可能
Interest① 当社の施工管理システムは、基幹システムの〇〇、▲▲、▢▢との連携を標準仕様で実装しています。
Interest② 他社のツールと比較すると開発工数が削減できるため納期短縮と〇〇万円程度のコストカットが可能です
Desire 標準仕様のサービスを1ヶ月無料でお試しいただくことが可能です
Action 無料お試しをご希望の方はこちら
このような形で大枠を設計することが可能です。
実際の制作が始まったら、より詳細なテキストや、比較表のもととなる情報も合わせて準備し、制作会社に渡すことで、より問い合わせ確立が高まった、費用対効果の期待できるLPが完成するでしょう。
4.広告運用代行業者の見極め方
LPの情報設計が終わり、無事コーディングに着手できたら、同時に広告運営代行業者を探しましょう。
広告運用代行には手数料がかかる
LPのデザインフィックスからコーディングまでには早くても1ヶ月、場合によっては修正などで2ヶ月ほどかかることもあります。もし、この期間にある程度時間を確保できるなら、社内で勉強して運営してみるのも非常に価値の高い時間の使い方と言えます。
というのも、通常広告運営代行の手数料が20%程度余分に必要になるため、仮に広告費3万円前後で1件の問い合わせを獲得できたとして、手数料が乗ると3万6千円かかることになるからです。
年間100万円の広告費を運用するとしたら、20万円が手数料となりますから、長い目で見ても自社にノウハウが蓄積されることはとても好ましいことです。
とはいえ、通常業務でこれ以上まとまった時間は取れない、という場合も普通にあると思います。その場合は無理せず手数料を支払って委託しましょう。ただし、キーワードの選定方法や、毎月の報告会で改善案を出してくれると思うので「その案を提示する理由」をしっかり聞いて、ノウハウを吸収しながら徐々に自社で運営できるようにしていきましょう。
ダメな運営代行会社と技術力のある会社の違い
運営代行会社を選ぶ際には以下の経験や技術があるかを確認し、よりクオリティの高い方を選びましょう。
広告運営代行会社に聞きたいこと
1.類似の商材で「問い合わせ」1件あたりのコストはいくらですか?
2.当社の商材で情報設計とLPデザインはこんな感じですが、月額〇万円使ったらどの程度の反応は得られると思いますか?
3.キーワードの選定方法を教えてください
4.広告のタイトルと、ディスクリプション(説明文)はどのようにライティングしていますか?
5.担当者は何年くらい、あるいはどんな実績を持っている方が担当しますか?