【逆転の坂岡塾】売上が一番大事

お疲れ様です。コンサルタントの坂岡です。

いろんなコンサル現場でよく聞くフレーズに「売上が一番大事」があります。

では、「売上」ってどういう仕組みで生まれているのでしょう?

この記事では概念的な「売上」から脱却し、ロジックとして理解することで改善活動をアクションレベルに落とし込む第一歩として解説しています。5分ほどの記事です。

目次

1.売上とは

私は21歳~25歳くらいまでベンチャー・リンクというフランチャイズのコンサル企業でシステムエンジニアとして雇っていただきました。

SEでしたがコンサルロジックの一つとして「売上」について教えていただきました。

売上=商品力×営業力  

商品力=PULL(ひっぱる)力
営業力=PUSH(押し込む)力

※2022年現在、多くのサイトで公開されている内容のため 引用元は特に指定しません

この2つの「掛け算」が成立したときに、はじめて売上は最大化される、という意味です。

実は論理的に説明ができない方も多い

文章にしてしまえば当たり前でも、「売上が減った」「成長が止まった」という悩みが尽きないのは、「知ってはいるが使いこなせない」という方も多くいらっしゃるから。   簡単なことほど難しいと言いますが、改めて確認してみましょう。

商品力とは

商品力の最もわかりやすい事例は「iPhone」です。日本スマホシェアはだいたい4割くらいがiPhoneで、流行に敏感な10代~20代の若者の間では7割程度のシェアを持っています。圧倒的に強い。

ところで、iPhoneのコマーシャルや、iPhoneのセールスを見かけたことがありますか?

発売当初にSoftBankのTVCMでちょっと見たくらいですね。

厳密に言えばスマホレビュー記事や動画で露出を稼いでいると言えなくもありませんが、積極的に営業活動をしなくても売れる、みんなが欲しがる商品と言えるでしょう。

また、無形サービスもこの商品に含まれます。

まとめると、商品力とはひっぱる力。 その商品の機能や魅力やブランド力が強い時、商品力が最大化します。

売上=iPhone(商品力100)× プロモーション(営業力1)   仮に商品力が100、営業力が1だったとしても売上は100です。

営業力とは

営業力は押し込む力。

例えばサービス業でいうと「初回無料」「無料配布」などのオファーは、商品の性能や魅力とは異なる力として顧客に作用し、成約機会を増やす要素の一つです。

無料オファーの他にも「お試しキャンペーン」「試飲」「試食」など、商品本品とは別にセールスのために機能制限を設けたり、小分けにしたものを提供する方法もあります。

昔ながらの方法では「接待」や「飲みにケーション」など、個別の関係性を構築することで、同じような商品でも特定の企業からの購入を促す活動がありました。

この方法は、社会的な動向や、高い水準で効率を求め続けられる現場によっては非効率的と思われがちで、今では方向転換を求められる手法になりました。

まとめると、営業力とは押し込む力。   売上=コモディティ商材(商品力1)× オファーや関係値(営業力100)   この場合も同じように売上は100です。

2.今日からできる努力~WEBシフト~

さて、売上の理論がわかってきたところで、具体的に今日から何をしたらいいのか?について、商品力と営業力それぞれの面から考えていきましょう。

そもそも、売上が減ったのは何故か?

手当たり次第に「何か」施策を打つのは、絶対にやめましょう。設計なく上手くいった人はたまたまです。再現性がほとんどありませんし、普通の企業が事業を運任せにすることを私はオススメしません。

少し、厳しい表現かもしれませんが、歴史のある中小企業では戦後の好景気に支えられて成長したケースが少なくありません成功のファクターが景気であれば、景気低迷に合わせて成長は止まり、売上も右肩下がりに陥り、右往左往しているという企業を何社も見てきました。

そんな企業にこそ、もう一度「売上」の要素分解を行い、足りてないものは何か?他に何ができるのか?経営資源の分配を見直してほしいと思っています。

ネット時代に適用する

インターネットをビジネスに活用することは常識です。しかし、WEBサイトは名刺代わりだと思っている経営者もまた、本当に多くいらっしゃいます。

対面営業では、何よりもアポイントを取ることが無ければ何も始まりません。営業担当者は普段から「異業種交流会」「青年会」「展示会」「飲み会」などに足を運び、あるいは「紹介」を求めてネットワークを広げます。

名刺を交換し、戻ってから電話やメール(あるいはFAX)でお礼の一文と、ご挨拶のお願いという、アウトバウンド型の営業スタイルが主流でした。

これまでの商談

展示会 > 名刺交換 > 課電 > アポイント 

名刺交換 > アイスブレイク > 会社案内 > 商談 > クロージング

面談が獲得できたら名刺交換の後にアイスブレイクを挟んで会社案内、商談は話しながら仕様や納期など詳細を決めます。

これをアウトバウンドといいます

「商品」の情報が「どこの誰」よりも先に評価されます。

WEBサイトを名刺や会社案内だと思っている企業がWEBシフトに出遅れるのは当然の結果なのだと思うのです。

図解:ネット時代の商談

一方インバウンドマーケティングでは、顧客のニーズから全てが始まります。ニーズの無いもの、ネットでは検索されていないものを売ろうとしても「売れない」「圧倒的に売りにくい」というのが実情です。インバウンドマーケティングの例を図解します。

from-inbound-to-closing
<顧客のアクション> 検索 > 問い合わせ 
<企業のアクション> 課電 > アポイント > オンライン面談 > プレゼンテーション > クロージング

このように、きっかけが顧客側にシフトした点に気が付くことから改善の一歩が始まります。

3.商品力と営業力の改善ポイント

ネット時代がインバウンドだとすれば、選択の主導権は完全に顧客側に移っています。つまり、検索しても見つからないものは、世の中に存在しないものとほとんど同義になってしまいました。

商品力の改善ポイント

大前提として、商品情報が速やかに確認できるサイトである必要があります。さらに、一瞬でどんな商品で取引する価値が伝わる情報設計になっていなければ、顧客は即座にブラウザを閉じ、情報が伝わる商品に流れていきます。

今、皆さんのサイトに以下の情報が商品名や画像と共に掲載されてなければ商品力はゼロに近いと思ってください。

<掲載必須の情報>

・商品名
・商品画像
・価格
・商品スペック
・利用シーンや利用方法の提案
・保証やアフターサポート
・納品までのフロー

<あったほうがいいい情報>

・ユーザーボイス
・競合比較
・ビフォアアフター  

ネットで儲かっているサイトって何でしょう?

売上に直結する意味ではECサイトですね。ECサイトは販売するための情報設計が完璧です。多くの企業では商品画像と概要だけの「Product」「Service」「Works」というカテゴリーが存在しますが、金額まで明記されているものは少数で、ネット時代においてこの商品がどれだけ優れているとしても「顧客に伝わらない」商品と化します。

もったいないですね。   ぜひ、サイトを「インバウンド営業システム」だと思って商品情報をしっかりと追加しましょう。

営業力の改善ポイント

残念ながら、ネット上で「人間味」はほとんど無視されてしまいます。

ネットシフト後の営業力とは、ずばり「無料オファー」と「試用オファー」です。オファーを付けるだけならそれほど難しくありませんし、もしかしたら既に対面営業では実施している方も多いかもしれませんね。

でも、その情報はサイト上に「わかりやすく」「目立つように」表現されていますか?

もうずっと前から工夫しているのに、書いてないから、目立たないから、伝わっていないとしたら、これもとってももったいないですね。

対面営業では、必要に応じて「御社だけですよ」と言いながら特別感を演出するトークのひとつにもなったでしょう。

でもネット上でのコミュニケーションは冷たいのです。書いてなかったら存在しないのと一緒です。

<あったほうがいいい情報>

・ダウンロード無料
・無料試用期間
・お試し後の修正1回無料

4.うちの商品は価格が決められない!

「商品の独自性が薄い」「商談無しに仕様や価格がきまらない」 こういった声も本当によく聞きます。

厳しい言い方だと思うけど、だから、売れないんです。

また、今、問題の一つが明らかになったとも言えます。明らかになったのならその問いを解くことこそ、気合と運にまかせるよりもよっぽど効率的な経営活動だとは思いませんか?

商品の価格が決められない時

中には、どうしても仕様が決まらなければ価格が決められない。という場合もあります。

そんな時は「過去に販売した商品」「標準仕様の商品」を例として掲載しましょう。

例えば、「特殊なネジ」「要望に応じて設計するコーディネート」「オーダーメイドが売りの洋服」などでしょうか。

いずれのケースでも、これまで何度も納品をされていると思います。その情報の平均値でもいいし、個別の仕様でもかまいません。せっかく皆さんのサイトに「顧客が知りたい情報がある」と思って見に来てくれるのです。

最大限の努力として、サイトを読んだら何がいくらで手に入るのか?をお伝えしましょう。  

報が伝わった後で、顧客は「相談してみようか」となるわけです。

最初から「ここに求めている情報が無い」と思われるより、よっぽど親切だと思いませんか?

まとめ

アウトバウンド→インバウンドへ商流が変わった

顧客が商品に気づけるよう工夫することから始めよう

ネットシフト後の商品力=商品情報の網羅性と正確性

ネットシフト後の営業力=素通りさせないオファー(無料お試しなど)

outbound-inbound

 

これまで、みなさんは何かを売って利益を上げてきたからこそ経営が成り立ってきたはずです。その商品が売れない理由はありません。本文中にも少し書きましたが、残念ながらネットで人間性を武器に戦うことは困難を極めます。

数秒あれば同じような商品やサービスとの比較を誰もができるので、WEBサイトの滞在時間が1分無いというケースもざらにあります。最初から60分かけて関係性をつくってから、なんて悠長なことはネットではさせてもらえません。

忙しい現代、顧客のほうも手間のかかる業者は使いたくないと思うようになり、正確で網羅的な情報が掲載されているサイトを見つけたら、顧客にとっても悩んだり、考える時間が短縮できて喜ばれます。

まずは、サイトに来てくれた未来の顧客に嫌われないように、できる工夫で情報のおもてなしをして差し上げましょう。

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